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男はソッコー電話をきった。 闘いに勝ったな… 私は、不敵な笑みを浮かべて受話器を置いた。 山田と名乗ってきた男は、山田でもなければ私の知り合いでもない。 どこかから漏れた学生時代の名簿でも見て、適当な同級生の名前を使って掛けてきた何かの勧誘だろう。 20歳を迎えた最近、こういう電話は頻繁に掛かって来る。 一度撃退すると、同じ奴からは掛かって来ない。 奴らは、ネチっこい手で攻めて来るが、駄目だと解ると諦めは早い。 何故、山田じゃないと分かったか… 山田は… 女子系だったからだ。
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