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『翔太君…事故に遭ったんじゃ…ないの?』
繰り返すように言う恵美の母。
「…知らない…。…知らないわ?どうゆう事!?…ねぇ…いつなの?!」
ポツリと呟いてから…。
恵美は食いつくように尋ねた。
『…。確か搬送先は…あなたの勤めてる…つつじ野総合病院だった…って…聞いたわ。』
言いにくそうに教えてくれる母。
「…いつなの?」
3日前…。千紘は翔太に会ったと言っていた。
2日前…。翔太と待ち合わせをしたが、翔太は現れなかった。
カラオケで見た、救急車…。
恵美は、鮮明に思い出した。
“あれ”が、翔太だったのか?
“あの時の”が、翔太だったのか?
頭がうまく回転しない。
身体の震えも止まらない。
『…ごめんね。恵美は知ってると…。本当にごめんね…。』
電話越しに謝る母。恵美を気遣うように、何度も謝っている。
「…。…お母さん…。わたし…翔太と…別れたの。」
恵美はポツンと言った。
『…恵美?』
話し出した恵美に、心配そうに声を掛ける母。
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