僕

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僕はただ、彼女――ゆえを守りたかった。 この世のありとあらゆる存在(もの)から、 ゆえを、守りたかった。 だから、彼女を守れるくらい強い大人になりたかった。 早く大人になりたかった。 子供は非力で無力だから。 ゆえを守ってあげることがむずかしい。 僕はゆえの安らぎになり、いつも笑っていられるよう、早く大人になりたかったのだ。
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