古事記の間。

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ちなみに、オオナムチは美男と設定されており、死から復活する度に美男度は増しており、また大国主(先述したように、オオナムチは大国主の若い頃とされている)も女性に非常にモテています。 自分が参考にしている本によると「古代において男性は中身よりルックスが重要視されており、ヤソガミもオオナムチのルックスに嫉妬していたのだろう」と書いてありましたが、これはいかがな物でしょうか? たしかに、ヤソガミ達はオオナムチに嫉妬をしていたと思います。 しかし「古代において男性は中身よりルックスを重要視していた」というのは少し違うんじゃないかな?と思います。 これはむしろ、「男性の中身とルックスは同一視されていた」のだと思います。 つまり、「内面的な物は外見にも現れる」という思想があったのだと思いますし、これは少なからず現代にもある考え方だと自分で思っています。 例えば(表現が悪いですが男である自分の考えとして)、容姿のあまり良くない女性でも、性格が良かったりすると笑顔とかかわいい子いるんですよね~(笑 逆に容姿よくても性格が悪いと、大した笑顔じゃないですしね~。 ようはオオナムチのルックスの良さは「男性の内なるモノは外に現れる」という事を描写しているのだと思います。 そして、このオオナムチのルックスの良さは「鎮魂の為」とも受け取れると思います。 というのも、大国主は後に不幸な死を遂げた形跡が見受けられるわけですが、日本においては不幸な死に方をした人物には、その人を称え霊を慰める為に「美女~」だとか「昭和最後の~」「日本一の~」といった言葉をつける場合が多く、その鎮魂の一種としてオオナムチを美男と設定したような気もします。 自分が少し意外だったのは、ヤガミヒメが婿を「選んだ」という事ですね~。 この時代は男尊女卑の時代なので、女性が男性を選ぶ権利はないと思っていましたが、必ずしもそうでもないみたいですね。 二度も殺されてしまったオオナムチですが、この事態を危惧したオオナムチの母は、樹木の神であるオオヤビコノカミの元へオオナムチを避難させます。 しかし、ヤソガミ達はオオヤビコの所までもオオナムチを追って来た為、オオヤビコはオオナムチをスサノオのいる根の堅州(かたす)国へ送り出します。
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