古事記の間。

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さて、「天孫降臨」についてはまだ書きたい事がありますが、詳しく書いていくとかなり長くなるので、また別の章を作った際に書きたいと思います(というより話が難しくて書ける程の知識と文才がありません…)。 高千穂に降り立ったニニギですが、笠沙(かささ)の御前という場所で美しい娘に出会いました。 ニニギがこの娘に「誰の娘だ?」と尋ねると、娘は「オオヤマツミノカミの娘で名はコノハナノサクヤビメ(木花之佐久夜毘売)といいます」と答えました。 ニニギは、このコノハナノサクヤビメに一目惚れをしたわけですが、コノハナノサクヤビメが日本文学史上においての初の美女のようです。 そして、ニニギは直ぐさまオオヤマツミに遣いを出し「コノハナノサクヤビメをくれ」と頼んだところ、オオヤマツミは大いに喜び、たくさんの結納品と、コノハナノサクヤビメの姉であるイワナガヒメ(石長比売)もニニギに送り出しました。 しかし、イワナガヒメはルックスが悪く、ニニギはイワナガヒメをオオヤマツミの元へ送り返してしまいました。 オオヤマツミは、このニニギの態度に嘆き悲しみ「イワナガヒメを差し上げたのはニニギ様の命が何があっても岩のように永遠で丈夫であって欲しいと願っての事です。コノハナノサクヤビメがいれば木の花が咲き匂うかのように栄えるでしょうが、イワナガヒメを送りかえされたので、ニニギ様の寿命も木の花のようにもろく、儚いものとなるでしょう」と言いました。 この話を元とし、古事記では「このような経緯があり、現在に至るまで天皇達の命は長くないのである」と説明しているようです。 たしかに天皇は神の系譜をひいているのに寿命がある事自体おかしな話なので見事なコジツケですね~。 ちなみに日本書記には天皇の寿命が短くなったのは、イワナガヒメの「呪い」の為だという事になっているらしく、これに類似した話は東南アジアにもあるようですが、「呪い」という概念が世界的に流布していた事が興味深いです。 案外神話は類似した話が世界的にあり(因幡の白兎や天孫降臨のような話もあちこちあります)、言語は当然違うはずなのに、こういった概念が伝わるってなんか凄いですね~。
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