古事記の間。

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ニニギとコノハナノサクヤビメの場合は正しくこれであるようで「一夜で子をもうけた」というのは、聖婚が即位式の一貫であった事の証のようで、国つ神の女性(この場合はコノハナノサクヤビメ)は大地の象徴であり、即位の日に一夜だけ天つ神(ニニギ)の精を受け、水穂の国の主にふさわしい御子を生むという、一つの形式のようです。 ニニギが「わたしの子ではないのでは?」と疑うのもコノハナノサクヤビメの浮気を疑ったものではなく、神の子の誕生を奇跡的にする為の演出らしいです… なんか個人的にはみっともない演出のような気がしないでもないですし「よくぞ一夜で我が子を成した」と言った方が運命的・奇跡的になるような気がしますが、これが自分と古代人との感覚の違いなんでしょうね。 そして、コノハナノサクヤビメが炎の中で出産したというのは、天つ神の血を引く者には火を避ける呪力を持つ事を強調する為にできたようです。
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