古事記の間。

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さて、話を進めますが、海神の宮から戻ってきたホオリは海神に言われたとおりに行動しました。 すると、兄・ホデリは段々貧しくなり、これに逆上したホデリはホオリに反撃を開始しました。 これに対しホオリは、海神からもらった塩盈珠を使い、ホデリを溺れさせました。 これに参ったホデリは「今後はあなたの守護人となり仕えましょう」とホオリに誓いを立てました。 このホデリとホオリの戦は、南九州における隼人族と天皇家の戦を意味しているようです。 つまり、ホデリは隼人族の祖で、ホオリは皇統を継いだ者だという事で、ホオリがホデリを屈伏させたというのは、隼人の朝廷に対する服従を意味しているらしいです。 では「隼人とはどんな人々で、どんな性質を持っていたか?」というと、これは詳しく書くとめちくちゃ長くなってしまうので、とりあえず本に書いてあった内容のみで書いていきます。 まず、隼人とは「薩摩隼人」という言葉で使用される事で有名ですが、この言葉が示す通り、現在の鹿児島県あたりの人々の事であったと思われます。 そして、隼人の語源としては大まかに二説あるので紹介しておきます。 まず一つ目は、万葉集に「早人」という記述が見られる事から、薩摩の人々の俊敏さ豪胆さから名付けられた物であるという説です。 もう一つが、中国には古来から四神思想があり「四神思想」とは東を青龍、西を白虎、南を朱雀、北を玄武の四神で表すもので、南を表す朱雀は「隼(はやぶさ)」にも例えられるので、南にある得体の知れない蛮人を「隼人」と呼んでいたという説です。 まぁ、どちらの説が正しいかは分かりませんが、隼人は「犬吠え」と呼ばれる雄叫びを発し、これには呪力が宿り、魔除けの効果があると考えられており、宮廷儀式にも参加し、天皇の行幸の際には必ず付き従い、国境を渡る際や山川を越える際には犬吠えを発していたようです。 また、本に隼人の言語能力は縄文時代から続く琉球や南西諸島との交流で磨かれたもので、この言語能力について江戸時代を例にとって書いてあったので、自分の好きな戦国時代も少し絡ませて書いておきます。 江戸時代になると、幕府は隼人の特殊能力を警戒し、これに気付いた薩摩藩では、江戸から派遣された隠密に情報が漏れないように自分達だけしか使えない言葉を生み出します。 ここで生み出された言葉が薩摩弁なんですね~。
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