586人が本棚に入れています
本棚に追加
「最上さん、明日の朝なんだけど……
うちに来てくれるかな? 」
アタシに声を掛けてきた男、テノール歌手であり、アタシの通った私立の音楽大学の講師をしている〔矢吹慶佑、35歳〕。
今回のソリストの一人で、椿姫であるビオレッタの恋人のアルフレッド役である。
声楽家のくせに細身で神経質、昔のアイドルのような顔立ち。
アタシの好みのタイプではないが、女生徒には人気があり、おば様たちのアイドル的存在である。
アタシは矢吹の練習台に使われている。
ただでレッスンしていただけるし、アタシなんかが歌うコトなんて出来ない難曲もチャレンジ出来る。
好都合な先生ではある。
最初のコメントを投稿しよう!