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「ヤッバイッ
もう6時半になるし―っ」
アタシはママの機嫌を損ねない為に足にしているスクーターのエンジンをかけた。
ママには中型免許を取っているコトは内緒……
だから、スクーターで我慢している。
ヘルメットだけはいつでも憧れのバイクに乗れるように欲しかったモノを買った。
走らないスクーターを必死に飛ばし、なんとか7時前には自宅に着いた。
どうせ喜びもしないだろうが、機嫌取りにプレゼントも用意していた。
楽器店のピアノ講師の仕事もしていたが、手取りはまだまだ少ないアタシには多額の出費ながらも、ママの好きなブランドの化粧品を買っていた。
矢吹に付き合えば、レッスンはただだし、練習台としての日当として1回5000円は奥様からいただける。
後は父さんが内緒でくれるお小遣い。
アタシは父さんの弱味も握っていたから……
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