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「遅くなってごめんなさい」
玄関の靴に煩いママの躾通りに靴箱に早々と靴を片付け、ササッと玄関を箒で掃いた。
「紅子、勇次さんが帰ってきちゃうわっ
早くして! 」
〔おかえり〕とも言ってくれないのね、真澄さん……
そんなコトバが胸で叫けばれる。
「はい……」
アタシは一輪差しに帰りに買って来たママの好きなピンクのバラを一輪差して電話の横に置いておいた。
ママは気がつくコトなどなかった。
「紅子、桃子は来ないの? 」
ママがやっとアタシを見た。
「……仕事じゃないかな……」
戸惑いながら答えるとママは機嫌良く笑っていた。
〔アンタがお姉ちゃんを出て行かせたんでしょ? 〕
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