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中学三年、春。
あれだけ苦悩していた高校受験もようやく一段落着き、中学卒業を間近に迫ったある日の事だった。
「お母さん再婚する事になったから」
「……えっ!? 何、もっかい言って?」
母のいきなりな発言に聞き違いかと思い、間抜けにもそのまま聞き返してしまった。
「だから、お母さん再婚する事になったから」
やはりそう母親に唐突に告げられた。
今までそんな話微塵も聞いた事が無く、全くの寝耳に水だった。
「今までそんな話一言も聞いてなかったよ?」
「だって言ってないもん。受験終わるまで待ってたから、話すの」
「………」
オレは呆気に取られていて次の言葉が出せなかった。それをさて置いて母は続きを喋り始めた。
その話しよれば、再婚相手の人とは一年以上前から付き合いがあったらしく、実際に再婚する話が挙がったのは去年の夏頃だったそうだ。
その話は二人の間ではすぐに進んでいったみたいだが、しかし、お互いに子供が中学三年生だった。
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