無題

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眠れない夜 独りで想うことは 人のぬくもりの 恋しさ 何人と肌を重ねた というほどでもない けど 恋しい あの人の ぬくもりが 初めて 一緒に寝てくれた 初めて 抱きしめてくれた 初めて 私のマスターに なってくれた 人形だった私 人間のように 扱うあなた その扱いに 慣れなくて 拒んだ 逃げた けど 今はこんなに 恋しい 心をくれた 苦しさを 教えてくれた 喜びを 教えてくれた 悲しみを 教えてくれた 笑うことを 教えてくれた 色々なことを あなたから学びました どんどん 人間に 近付いていきます どんどん 欲が生まれます 独りにしないでください 話をしてください もっと触れてください 抱きしめてください 私のものに なってください たまに ふと考える 人形だった あの時を そうだった 私は人形 求めてはいけない 与えられるだけ 人の望むような姿を 私は演じなければならない 私は人形だったのに どうして こんなに胸が苦しいの あなたが 人間にしたから? 独りにしないでください 飲み込む言葉 人形の私は まだ 抜け出せずにいる
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