不屈

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不屈

夏海の世界 光写真館 「それで、どうやって別のライダーの世界に行くのですか?」 「聞いてない。」 写真館の中にある撮影室。 モノやテーブルが溢れ、少し小汚い印象のある部屋だが、部屋にはカメラやキット、大きなスクリーンといった物が並びそこが本当に写真館であると証明している。 士と夏海は青年と別れた後この部屋へと戻り青年の言っていたこと、異世界についてなど議論していた。 もっとも議論と言ってもただ夏海の質問責めなだけであるが。 「…忘れたんでしょう?」 「いや、聞いてない…。 あいつ…肝心な事を…。」 「人はさ、みんな旅人だよ。」 二人がいい争いをする中二人を諭すように夏海の祖父、光栄次郎が会話に入り込む。 二人の話を理解していない栄次郎の言葉に二人は何を影響されたのか、二人の言い争いは彼の言葉により中断される。 これ以上は無駄…、そう二人は思ったのだろう。 「あれ?…おや。」 二人は椅子に座り、ただ心に想いを秘める中栄次郎は部屋の壁にかけてあるスクリーンの開閉に苦戦を強いていた。 幕が専用の取っ手を使って開閉されないようで、仕方ないと思った栄次郎はワイヤーごと外しスクリーンを降ろすが、そのスクリーンには一枚の絵が映っていた。 「あれ…こんなのあったっけ。」 無地のスクリーンであれば、映写機も使っていない。 栄次郎はこの不思議なスクリーンに首を傾げ疑問を抱く。 「……何だ?」 「あれ…こんな絵…うちにありましたっけ…?」 士と夏海もその不思議なスクリーンに気づいたのか二人は同時に声を発しそのスクリーンを見つめる。 スクリーンに描かれた絵には、光を求めただ一匹暗い空を舞うクワガタが描き表されていた。 ザギバスゲゲル
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