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ピッピッピッピ…と機械の音が聞こえる。
音源は病院の部屋にある心電図。
部屋にはその心電図によって図られベッドで寝ている男と男性の医者、そして一人の女性であった。
「それじゃあ五代君…自分で心臓止めちゃったって事ですか…?」
ベッドに寝込む男を五代と呼び女性は医者に尋ねる。
しかしその女性が医者に尋ねた内容は症状の確認…のような一般じみた内容ではなかった。
「あぁ…、それほどまでに強くなりたかったんですね…。」
「それで…体の方は…。」
「闘いで負った傷は完全に癒えています。
しかし、電気ショックが与えた影響は正直な所五代にどんな形で反応するのか…私にも分かりません…。」
医者と女性の言葉は闘い、傷と言った非日常を指す言葉であり五代と呼ばれる男もまたその非日常の人物であるのだろう。
∇
セントラルアリーナ
PM3時24分
「B9号…。」
全て電気が落とされまるで夜のように暗い東京セントラルアリーナの渡り廊下では拳銃を持った青年と、奇妙な人の形をした生き物がそこを徘徊していた。
人型のカブトムシ。
その姿はまさに怪人と呼ばれるに相応しいモノであった。
カブトムシの怪人ことB9号は誰かを探すように辺りを見渡しながらアリーナの奥へ奥へと進んでいくのに対し青年も廊下の曲がり角に隠れ息を潜めながら彼について行くのだった。「46号…。」
怪人の後について行くとまた別の46号と呼ばれる鳥のような翼の生えた怪人が二人の前に現れた。
46号はB9号を見るや突如その翼を使い空を飛び、カブトムシの怪人に向かって飛び蹴りをしB9号はそれに避けきられずその場に佇む。
B9号「ガグガ…パラザバ…。」
しかし飛び蹴りを受けたB9号は何事もなかったかのように体を起こし、
日本語ではない謎の擬音語を46号に向かって発するのだった。
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