不屈

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関西医大病院 「おはようございます!」 ベッドで寝そべっていた五代は起床すると笑顔で女性と医者に挨拶をする。 「もう…おやつの時間だよ?」 その笑顔と挨拶は裏を感じさせないそれは優しさと気力に満ち溢れ、自然と笑顔をこぼすようなどこか不思議な魅力があり、その五代の笑顔を見るやいなや周りにいた二人の顔もいつの間にか緩んだ笑顔となっていた。 「やってくれたんですよね、電気ショック。」 「どうしてわかった。」 「いやなんか体中が、うっ……いいっ!みたいな力がガチガチに詰まっている感じがするんです。 これなら金の力もたっぷり使えそうです、本当にありがとうございます。」 五代は自分の体調を主張するかのように立ち上がり医者に対して感謝の言葉を並べる。 「感謝するなら沢渡さんにしろ、俺を説得したのは彼女だ。」 「ありがとう…桜子さん。」 五代は医者からそれを聞くと女性に、沢渡桜子と呼ばれた女性にもまた言葉を並べる。 桜子に向かって並べられた言葉はどれも信頼という物で固められており、二人の仲の良さがどれほどかそれらから感じ取れる。 「みんなも頑張っているから…、俺も頑張らなきゃ!」 「うん、そうだね!」 「じゃあ…行ってきます。」 五代は区切りがつくと挨拶と親指を上に突き立てたサムズアップを二人に送り部屋から出ていった。 元気でのびのびとした性格で笑顔とサムズアップが特徴の五代の素振りから彼が闘いと言った非日常的の存在だとは誰が見ても思いつかないだろう。 五代は病院の外に置いてある自身のバイクに跨りそのまま走り去っていった。 ∇ 〔全署に連絡。 未確認生命体B9号の居場所は、瀬戸川区のセントラルアリーナ。周辺各局は特別な指示がない限りアリーナの約3キロの住民の避難誘導に当たってください。 繰り返す。〕 「……。」 警察の全署にその通報が流れる。 怪人は未確認と呼ばれ警察はそれら未確認を捜査しており、 アリーナにいる青年一条薫もまた警察官として未確認を捜査している人物の一人であった。
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