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同時刻
光写真館
「ここは本当に別の世界なんでしょうか…?」
その頃光写真館では夏海が突如現れたクワガタの絵を見ながらそんなことを呟いていた。
別の世界と言う言葉を信じる訳ではないが夏海は疑問を抱かずにはいられなかった。
「おじいちゃん…それって…?」
「何かテレビに映ってるね…。」
そんな夏海の気持ちをいざしらず栄次郎はただいつもの調子でテレビつけニュースを見ていた。
夏海はそんな栄次郎の姿を見て呆れるが、目に入ったテレビに映る映像には夏海の疑問の答えとなる物が映っていた。
未確認生命体と呼ばれる怪人とそれらと闘う仮面ライダー、クウガの姿が。
「何なんですか…これ…?」
「さぁ…何なんだろうね。」
2人は互いに口をこぼし合い真剣な眼差しでそのニュースを見つめる。
「ここに凶悪犯が潜んでると通報があった、逮捕する。」
2人がニュースに集中していると、警察官の姿をした誰かが部屋に入ってくる。
入ってきた男は夏海を見るやすぐさま凶悪犯と決めつけその細い腕につかみかかる。
「笑いのつぼ!」
しかし夏海はその相手の腕を早急に振り払い、首にある笑いのつぼを光家秘伝と呼ばれる方法でそれを突く。
つぼを突かれると警察官は倒れ込み奇声混じりの声をあげその場で笑い転ける。
「ハ…ハハハハハハ!!」
「遊んでる場合じゃないでしょ士君!」
夏海は奇声をあげ笑う警察官の帽子をとると彼女の言う通りの人物の顔が現れる。
「笑い……つぼは…反則だろ夏みかん!皮むくぞ!」
「これ、みてください。」
夏海は笑い転けている士を無視するとテレビを傾けその未確認生命体のニュースを士に見せる。
「未確認…生命体?」
「グロンギって言われているみたいです。」
「この世界は未確認生命体とやらと警察が闘ってるのか…。」
「私たち…本当に別の世界に来てしまったみたいですね‥。」
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