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コンビニをでた俺は、袋からおもむろに棒アイスを取り出した。
もちろんバニラ味。
ああ……美味しい……
俺にとってこの甘さは至高の喜びであり、明日への活力だ。
だからこそ消費が激しいのだとしみじみ思う。
もうそろそろあの角か……
アイスの美味しさで紛らわすとしよう。
俺は趣向を変えて袋からチョコアイスを取り出し、角をやり過ごすことにした。
全神経をアイスに集中して、角を曲がり終え、ふぅっと一息ついた。
さて………キャラメル味でも堪能………
ドサッ
後ろの角の死角………
何かが落ちる音に俺は足を止めた。
あ…キャラメル美味いな。
ペタッ、ズルズル、ペタッ、ズルズル、
今度は……何かを引きずる音……?
興味をそそられるというか、ほぼ怖い物見たさで俺は角を見つめた。
白い女でも出て来るのだろうか。
いや、違う……女ではない。
まて……なんだ……これは……?
おかしい。
なぜなら、まず最初に角から見えたのが「足」だからだ。
垂直に立っている足ではない。
人間が背中をついたまま足で移動するのを想像して欲しい。
そんな足だ。
真っ白で、両生類のように皮膚が湿って光っている。
不気味と言う他無いそれは、角から徐々に全貌を現して行く。
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