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息が……苦しい……
喉が……痛い……
俺は崩れ落ちるように、ミラーにしがみついた。
もう何が何だか分からない。
ペタッ、ズルズル、ペタッ、ズルズル
コ、ウ、カ、ン、コ、ウ、カ、ン、コ、ウ、カ、ン
俺はなんとも無しにミラーを見上げた………
………!!
俺の………
俺の首に………
蛾がびっしり……へばり付いている……。
びっしり……見えるだけで30匹ほども………
俺は絶句したが、声は元々出ない。
咄嗟に蛾を手で振り払う。
手には死骸や羽の油などが付き、不快極まりない。
それと………
俺の喉仏が肥大している……。
足の親指程まで……。
不快極まりない手で、それを触ってみた………。
グネグネグネグネ
それは意味不明な動きを繰り返し、俺の喉を圧迫している。
これはなんだ?
ピューーーーッ
突然……喉から溢れんばかりの血が吹き出した……。
痛い。
痛い痛い痛い痛い。
寒い。
そして喉仏の皮膚を破って出て来た物は……
黒い………
蟻(あり)の塊だった………
俺は体の支えが無くなったように仰向けになり、消えかけの街灯を仰ぐ。
ペタッ、ズルズル、ペタッ、ズルズル、ペタッ……
「あれ」は、俺の腹に足を乗せて静止した……。
そのあと、痙攣した両腕で俺の頭を掴んだ。
グイッグイッグイッ
やめろ。
引っ張るな。
首が痛いだろう。
コ、ウ、カ、ン
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