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ひとりで眠るには少しばかり広いベッドに政宗を下ろし、羽根布団をかけてやると、小十郎はベッドサイドの椅子に腰かけた。
「…」
「…」
沈黙が気まずい。
何も言葉を発しようとしない小十郎に焦れたのか、先に口を開いたのは政宗だった。
「…ホントに…何でもないから…」
だから気にすんな、そう続けようとした政宗の言葉は小十郎によって遮られた。
「何故…何故貴方は血をお吸いにならない!?これほどお痩せになってまで、何故拒むのです!?」
抱き上げた政宗の、同じ年頃の青年と比べれば軽すぎるであろう体重を思い返し、自然と小十郎の口調は荒いものになってゆく。
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