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「・・・・・・」
心の声と口から出た声が同調した。
やった、ちゃんと言えた。
ボクは彼女を見た。
頬を紅潮させ、目をそらす仕草をする彼女。
その後の言葉は、伝説が導いてくれるはずだ。
彼女が口を開く、僕は目を瞑ってその声だけを聞くことにした。
そのあとは、手を繋いで帰るだけだ。
そしてボクと彼女は・・・
「・・・ごめんなさい」
付き合うことに・・・
ってあれ?
ボクは目を開けて、もう一度彼女に訊いた。
「さっき何と?」
「ごめんなさい」
「ごめんくださいの間違いでは?」
「まちがいなく、ごめんなさいよ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
沈黙。
「あのさ、ここの伝説教えてくれたよね」
「うん。教えたよ」
「じゃあわかるよね」
「うん。でもごめんなさい」
沈黙。
彼女は笑顔のままだ。
ボクはいまどんなどんな顔をしているのだろうか・・・
「すごい顔してるよ」
「人の心を読めるなら察してよ!」
「それでもごめんなさい。だってさあ」
彼女はボクに大変な秘密を教えてくれた。
「私、女の子にしか興味ないもん」
──午前十二時・・・
少年と語るのも面倒だから、もといボクは・・・
物置にしまってあった
チェーンソーを稼動させ、
桜の木目掛けて────
「ボクの青春を返せえええええええええええええええええええええええええ!!!」
横一線に薙ぎ倒した。
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