206人が本棚に入れています
本棚に追加
目覚まし時計が七時を指して鳴り響いている。
ボクはベッドの中でモゾモゾと動きながらタイマーを止めた。
カーテンから零れる光を見て、今日は晴れだなと呟きながら起き上がった。
カーテンを開けると青い空、白い雲。絶好の入学式日和になるだろう。
でも・・・・・・
昨日のことを思い出し、少し鬱になってしまう。
ボクはフラれたんだな・・・
高校生初日の出だしは挫かれてしまったようだ。
でも、まさかあの子がそっちの子だったなんて・・・
いや、これはカウントに入らない。うん入らないよ。
今日から新しく始まるんだ。恋も一から始まるはずさ。
「なんだろ? 妙にスースーする」
身体の至る所に妙な違和感がある。
「あれ?」
さわさわ。
「こんなに髪、伸びてたっけ?」
確かにボクは長い方ではあったけど、肩までかかるほどじゃなかったはず。
「おーい! さっさと起きろ! いつまで寝てんだよ!」
階段を上がる音と共に聞き慣れた弟の声がドアの置くから聞こえた。
カチャっとドアが開き、弟が入ってくる。
「入学初日で遅刻するつもりかよ?」
「あ、荘真おはよう」
最初のコメントを投稿しよう!