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「これで捕まえる宣言は三回目ですか?前の二回は残念でしたね」
「前回は空手、前々回は八極拳を使われて目茶苦茶にやられてしまったが・・・今回は打撃対策は完璧だ!」
倍鷹は高らかな宣言と共に警備員用制服の上着を脱ぎ捨てた。・・・ポーズを決めつつ。
えぇい、暑苦しいわ!
「ハーフプレートアーマー!?制服の下に着てたんですか!?
通りでいつもより太ってると思いました!」
「太いゆうな!ガタイがいいと言え!」
・・・倍鷹の上半身を覆っているのは合金製の鎧。
重さはしめて15kg超。これだけの重さの「おもり」を身につけながら、倍鷹の動きは自然で、ぎこちなさがない。
「相変わらず化け物級の筋力と筋持久力ですね・・・。
月の輪熊あたりならタメ張れるんじゃないですか?
まあこれじゃ打撃はろくに効かなそうですね」
「わかったなら諦めて宿直室に来い。今なら多少の尋問と叱責で許してやる」
「・・・『打撃は』効かなそう、ですよ?打撃はだめでも---」
・・・・・・自然体だったトーヤが初めて構える。
右足を前に、左足を後ろに。
諸手は開手。
左手を後ろに下げた足に沿え、右手を前に差し出す。
背骨は一本の刀のように垂直に。
それは1mmのブレも許さず。
「---これがあります」
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