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「ああ、もう大丈夫です」
「・・・そんな・・・馬鹿な・・・あれは絶対、脱水と過労と栄養失調を併発していた・・・だが数分で・・・回復・・・?」
「どうしました?」
「あ、ああ。気にしないでくれ。」
世界には秘密がある。触れてはならない類の。
桐夏はそのことをひしひしと感じた。
「近くのコンビニに行ってくるといった割には遅いね、佐倉君」
「そういえばあいつそんな名字でしたよね、『トーヤ』の方が染み付いてて、忘れかけてましたよ。」
友達の名前を忘れることをこんなに軽く言ってしまっていいのだろうか。友情とは何なのだろうか。
「しかし妙だな、彼の名前は佐倉悠次だろう?どこをとったらトーヤになるんだい?」
「ああ、それはですね」
ここで話は数年前に遡る。
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