白雪姫

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  ヌチュッ…ヌチュ…。 ジュチャッ……ジュチャッ………。 真っ暗い部屋のベッドに仰向けに私は寝ている。 ハァ…ハァァ………ッ。 息を殺しながらも荒々しく息を吐く男は、私の上に覆いかぶさり腰を振る。 今日で何度目だろう…。 数える気にもなれず、早く終わってほしいと願う事しか出来ずにいた。 ヴゥッ!!! ヒキガエルが潰された時の悲鳴の様な声を出し、私の上で果てた男は、私の太腿で残りの汚物を拭いた。 抱き合う事も頭を撫でる事も無く、欲望を吐き出した男は無言で出て行った。 途方も無く心を無くした私は、天井を焦点も合わせず、ただボーッと眺めていた。 ねっとりとした生暖かい液体が、太腿の裏まで流れ落ちるのを感じ、ゾワゾワと背筋に悪寒が通り抜けていく。 私は無造作にティッシュを数枚掴むと、皮膚をもぎ取る様に拭いた。 臍の下に、最初に吐き出した物があるのに気付き、それもまた皮膚を削り取る様に拭く。
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