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俺は鈴木さんとは話をしたことはない。まだ新人だっのでチーム業務をしていても軽症者しか診ることはなく、医者の回診時に顔を見たことがあるくらいだった。
俺は鈴木さんの事を何も知らない。
しかし、家族にとっては違う。
妻にしたらよき夫であり、子供にしたらよき父であり、孫にしたらよき祖父である。
共に生活してきた家族がいなくなるのはどんなに辛いものなのか…
自分に経験はなくとも身近に感じてしまい感情を抑える事が出来なかった。
それに、自分が何か出来た訳でもないのに…最初の凄惨な光景を目の当たりにして逃げ出したくなった自分がとても情けなく感じ後悔した。
そして看護師という仕事がどういう仕事なのか、命を預かっているという事がどんなに重要なことなのか分かった気がした。
鈴木さん、大切な事を教えてくれてありがとうございました。
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