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誰も…『パンドラの指輪』が何が詰まっているのか判らなかった…
良いことが起きるのか?
それともやはり、悪いことが起こるのか…
指輪の持ち主だった真由さんさえも、使ってみないと判らないことだったのだ…
最悪、世界が滅んでしまうことも十分考えられたのだ…
誰も、そう簡単に使える物ではなかった…
「私だって、その話を訊いていたら、あの指輪を使えたかどうか…」
私の言葉にトキお兄ちゃんが笑う…
「ゼウスが最後に箱に入れたもの…それは…」
「『奇跡』よ…」
私が答えた…
そう…『パンドラの指輪』に詰まっていたのは『奇跡』だったのだ…
奇跡の指輪の光に包まれた私達は…
奇跡に導かれた…
トキお兄ちゃんは、その命を取り戻し…さらに…
人間となった…
もちろん私も…
もう魔界なんかに帰る必要はない…
これからは私とトキ…2人で、この人間界で生きていける…
そして…
真央ちゃんは、人間に戻った…
もう…
裕太くんをどんなに好きになっても苦しまない…
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