76人が本棚に入れています
本棚に追加
『お前と居てつまらない』なんて言う
訳がない。それくらい分かるだろう。
そう言いたげにそっぽを向く彼の頬は
ほんのり赤く、古泉はくすりと口端を
上げる。
「…こちらを向いて下さい」
「断る」
「向いて頂かないと悪戯しますよ?」
言うが早いか、するりと頬に指先が這
った。
頬から首筋へと、そしてだんだんと降
りていく。分かりきったような緩やか
な指先に先にキョンの息が上がる。
「…っ、触る、な…」
「…なら、こちらを向いて下さい。キ
ョン君」
「ぁ…」
耳元から聴こえる低い声に釣られ、キ
ョンはゆっくりと古泉を見た。途端に
唇を掠め取られる。身動ぎする暇も与
えない。
ぬるり、と熱い舌が口内を蹂躙した。
「ん…」
「…ン、ふ…ちゅ…っは…」
唇を離すと艶やかに光る銀糸が二人を
繋いだ。
古泉は舌でそれを断ち切ってから一度
ぺろりと舌舐めずりする。その姿がと
ても厭らしかった。
「…貴方って意外と甘党なんですね。
たっぷりとお砂糖の味がします」
「っ、な…」
「顔、真っ赤ですよ?」
最初のコメントを投稿しよう!