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頭が酷く痛む。
それは決して錯覚等ではなく、ついさ
っきまで暴力のように叩き込まれてい
た数式と文字の羅例のせいであろう。
かつてこんな風に短時間で頭に何かを
埋め込んだことは…中二の期末で一度
やったっけ?
「とにかく…これで、オールクリアだ
ろ?」
ベッドの上で寝こける団長様に一言。
ひと夏の課題を片付け肩の荷が降りた
のだろう、彼女達の寝顔が何処となく
柔らかい。
その横顔を見ていたら頬にぴとりと冷
たい感触。
「お疲れ様です」
「…おう」
何かと思ったら古泉の手だった。
程よく冷水で濡れた手は火照った肌に
丁度良い。
「少々洗面所をお借りしました」
「あぁ」
「宿題は終わられたようですね」
「一応は終わったな」
古泉は俺の問題集に目を落としてから
にこりと微笑む。それからぐるりと部
屋の中を見回した。
「長門さんはどちらに?」
「長門は…多分妹に引っ張られてった
んだろ」
ハルヒが寝ちまってゲームの相手が居
なくなったからな。
すまん長門。
今度は何かお供え物でも用意するとし
よう。
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