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数年前、本当に何気ない日々でした。
彼を仕事へと送り出し、二人で住んでいたこの部屋に一人、椅子に座っていたんです。
そしたら急に、彼を好きかどうか答えも出せなくなり、私は逃げるようにこの部屋を去りました。
彼からも。
そして彼に連絡さえしないまま、一人ひっそりとのどかな町へとやって来ました。
町にいた知人の協力を得て、住むところ働く所も得られました。
それから数年。
今彼が何をしているのかさえも
分かりません。
二人で住んでいたマンション
今でも彼は住んでいるのでしょうか。
数年経った今、頭の隅によぎるのは彼の事でした。
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