えーき様がやってきた

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―ピンポーン― 小さな家。少しばかり散らかった部屋の隅に敷かれた布団はまだ盛り上がったままだ いつもならとっくに仕事が始まっている時間なのだが、どうやら今日は非番らしい。カレンダーに赤い花丸と力強い字で大きく『休み!』と書かれている。 そんなこの部屋の主、小野塚小町の安眠は無粋なチャイムによって妨げられた。 ―ピンポーン― 二度目のチャイムが響く。 小町はむくりと体を起こし、頭を掻きながら壁に掛かっている時計を確認する。 まだ昼前だ。休みの日は午後まで寝ると言うのがモットーの小町としては、不本意な起床時間である。 ―ピンポーン― 諦める様子の無い客にため息をつきながら、ボサボサだった髪を手櫛で適当に直して、玄関のドアを開けた。
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