えーき様がやってきた

7/11
前へ
/11ページ
次へ
『……ところで四季様。今日の仕事は?』 今日は四季様は非番ではなかったはずだ。 自分ならともかく四季様の性格上サボりはあり得ない。 小町の問いに四季映姫は少し呆れたような、困ったような顔をすると 『この辞令を受けると同時に今日は休みになりました。私は仕事が終わってからでいいと言ったのですが、いろいろ準備があるだろうからと、どうしても他の閻魔仲間が許してくれなくて…』 と、答えた。 よし、そいつの名前を教えてください。一発殴らないと気が済みません。 密かに小町が心の中で怒りの拳を握り締めていると 『というわけで、これから買い物に行きま…』 言いかけて小町の服装を見て眉をしかめ 『その前に顔を洗って歯を磨いて、寝癖を直して、着替えをしなさい。』 と、あきれたように言い放つ。 そんな生真面目な上司に、小町は既に今日何度目か分からない溜め息をついた。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加