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『あ、でもさ、あの時に塩を混ぜた酢を使ってたでしょ?あれは「浸透」じゃないの?』
と疑問の霧島さん、まだよく分かってないみたいだ…まあ、当たり前か。
『あれは元から霊的に効果がある物を組み合わせて流用したものだ、あれを作るのに霊力や魔術技法は使わなかったでしょ?』
『そうだね、ただ混ぜたのを包丁や竹箒に塗っただけだし』
霧島さんが行った作業だから、ちゃんと覚えていたようだ。
『そう、しかし「浸透」は違う、一から材料を霧島さんが用意して、単なる水を霊力を帯びた「聖水」に変えなくてはならない、その「聖水」が作れてから「浸透」が始まるんだ』
『そっか…つまり霊力を扱っているか、いないかで違いがあるんだね?』
『簡単に言えばそうだ、魔術を実際にやってみようとしない人は、大概が安易な手法を取る。
確かに簡単で有効な方法だし、使い勝手も良いだろうけど、俺や霧島さんは、仮にも「魔術使い」として活動してるんだ、安易な手法で満足するなら、魔術使いになる意味がない』
『だね、私も何はともあれ自分で魔術が使えるようになりたいもん』
『その為には、知識を溜め込むのも大事だが、実践が必須なんだよ』
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