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『うーん…まだ不安があるんだけど』
霧島さんは腕を組んで唸りながら悩む。
『どの当たりが?少なくとも他の人に教える以上、知りうる範囲で危険な魔術などは絶対に実践させないけど』
まあ、これは霧島さんだからこそである、知らない人や顔見知り程度の人が、力量に伴わない無謀な魔術を使って、気絶しようが、精神疾患者になろうが、悪霊に憑かれようが関係ない。
『私、まだ基本的な四泊呼吸、弛緩、イメージを完璧に出来てないんだよ?』
『…?それがどうかしたの?』
『え∑いや…だから、まだまだ出来ないって…』
『ある程度は、その基本的な技法を出来るようになったんでしょ?なら問題ない』
『…そうなの?まだイメージとか、安定してないような気がするし』
『高望み過ぎだよ、教えた基本的な技法を一通り練習して、だいたいが出来たら実践するべきだ、そもそも「完璧」なんて一生出来るか怪しいもんだし、より完璧に近くなるなんて何時までかかる?』
『う…』
基本的な技法が使えなくては魔術は全く効き目はないが、完璧と言うなし得られないレベルを求めていたら、何時までも魔術を使えるようにならない、確かに魔術の精度を上げる為に、天使や悪魔をはじめとする霊的存在者の能力や、それぞれの役割を把握するのは良い、だが根本的な魔術使いの霊力を多少なりとも高め、技術の練度を上げるには魔術の実践しかない、それを避けていては、いつまでも魔術の一つも使えないままで終わるだろう。
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