霧島さんの魔術修行

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『例えばの話だけど、格闘技があるよね?ただ技の練習ばっかりしてる人と、組み手をしたり…試合に参加して会得した技を、実際に対戦者に使って技を磨いた人とでは、技量に開きが出来るだろ?そう説明した方が分かりやすいかな』 『あ…!そっか!』 ポンと手を叩いて『納得した』とばかりに頷いている。 『だから霧島さんも、「構え」や「技」の練習はしてきたんだ、それはまだまだ形だけのものだけど「組み手」や「試合」をして磨いていかないとならない訳だ』 『わかった、それなら確かに実践は重要よね』 『そうそう、もちろん魔術の実践をする他に、知識も学ばなきゃならないが、それは少しずつで構わない』 俺はコンビニで購入したボルヴィックを霧島さんに渡した。 『今日はこれで「聖水」を作るの?』 『そう、いつも都合良く雨が振るわけじゃないから、そう言う天然水で作るのがメインになるだろうな』 本当の「聖水」の原料となる水は、雨水を石の皿に溜めたものを使うのだが、近年の雨は、あまりに汚れているので、できれば使いたくないのが正直な所だ、少なくとも俺は自己浄化の必要に迫られても飲みたくない…さらに言うと「粗塩」を混ぜる必要もある、だが今日は、あくまでも霧島さん自身の霊力を水に注ぎ込んで「聖水」とする実践練習である。 『俺の作業場を使って構わないから、さっそく実践してみよう』
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