霧島さんの魔術修行

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まずは部屋のカーテンを閉めて明かりを出来るだけ遮る必要があるが、今は夜なので当然閉めてある、喚起や召喚では無いので円陣も必要なし、東を向いて座した霧島さんは息を吸う、止める、息を吐く…を4、2、4のリズムで繰り返す。 呼吸は外気(マナ)を体内に少しでも取り入れ、自らの内気(オド)へと転用する為に必要だ、さらには座したままで極力、全身を弛緩させなくてはならない、緊張感が強いとせっかくの内気が体を流れなくなるからだ。 それらの前準備を終えた霧島さんは「天然水」をクリスタルボウルに注ぎ込んだ、目の前にボウルを置き、左右にキャンドル(蝋燭)を立て、インセンス(香)を焚き、その後にキャンドルに火を点火する。 そしてクリスタルボウルを両手で持ち上げて、インセンスの煙に何度か潜らせ、終えたら元の目の前に再びボウルを置く、 次は水晶を手に持ち、天然水に水晶の先を付けて右回りにかき混ぜながら、水に聖性の力が宿りゆく様を強くイメージする、水晶で一回り混ぜられる度に、天然水そのものが光放つ水になるのをイメージするのが一番簡単であろう、 この時に息吹きを吐きながら混ぜるのがコツの一つ「息吹きを吐く」のは、霊力…いわゆる気を体外に放出するものだからだ。
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