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水晶で水を混ぜる作業は左右に立てられたキャンドルが燃え尽きるまで続けられる、その後、用意しておいたボトルに聖水を詰めて魔術作業は終了だ。
時間にしては十分にも満たない、キャンドルは短めにカットしてあり、無意味に余計な時間を使わないよう工夫してある。
『ふう~…あの、どうでしたか?』
聖水を作成する中では最も簡易な方法ではあるが、説明も必要なく手順は完璧にこなしている。
『作業工程に関しては、俺が見た限りでは上手く出来てるし、問題ないよ』
『本当?あー良かった』
『問題なのは、成功してるか失敗してるか判別がつかない事だけど』
『∑;…う゛』
俺と霧島さんの魔術に置ける致命的な問題がそれだ、魔術そのものを扱う方法は知っているが、果たしてそれが成功しているのか分からない点が悩みの種だ。
『この場合は…仕方ない、コイツを使うとするか』
俺は魔術具を納めてある祭壇から、小降りの装飾刀を取り出した。
見かけを一言で言うなら「ボロボロ」だ、刃零れで刀身はノコギリみたいだし、血錆すら浮いている。
『な…なんですかそれ;』
霧島さんはその刀を見て『ええ~…』みたいな顔をしていた。
『これは邪念が籠もった刀なんだ』
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