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『ふぁ~…』
やや肌寒くなってきた9月の下旬、もう季節は秋…一年とは早いもんだ。俺、「木村翔」は学校の屋上で生欠伸をしながら、空を見ていた、時間は既に放課後である、昼休みに弁当を食べた後で屋上に上がり、そのまま昼寝をしたのだが、つい今目覚めてみると、昼の12時どころか、夕方の3時半だ、グラウンドには陸上部か何か、部活で汗を流して青春を謳歌している学生達が居るものの、授業はとっくに終わっている。
『あらら…まさか、こんなに寝てしまうとはな』
頭を振って意識をしゃっきりさせてから立ち上がり、屋上から校舎内に入るドアを開けて階段を降りて、教室に残っている鞄を取りに向かう、教室は一階だから、このまま一番下まで降りる。
屋上に続く階段は南側の一般教室が密集している側ではなく、音楽室や理科室などの教室が集まっている北側寄りの階段だから、昼休み中はもちろん、放課後でも人気は少ない、俺はダラダラとした足取りで一階まで降りてゆくと、滅多に使われない職員用トイレ(先生達も殆ど生徒と同じトイレを使っている)から1人の女子生徒が出てきた、やや長い髪を後ろで左右に結んで束ねてある、見方は普通かやや地味な部類にはいる雰囲気の女の子だ、しかし…
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