次の日…

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『これが本当に限界なの、全部なんだよ?』 『んなワケねえだろ?てめえの端金じゃなくて、親の財布から盗んで来いって言わなかったか?』 『………………』 『なに急に黙ってんだよ!どうなんだ!あ!』 ………………………………… (あの手の連中って、本当に台詞から、やることまでお決まりだな…つくづくオリジナリティの無いバカだ) 身を隠しながら話を聞いていたが、本気でワンパターンで寧ろ笑いそうになる、だが金を集られている女子にしては笑い話ではすまない。 『このアマ!』 連中の1人が怒鳴ると、バシッと鋭い音が響く。 (おお、バカ特有の行動だな、弱い者に群がって最後は暴力で言う事を聞かせるか?) そんな感想をつらつら内心で述べている間にも、ヒートアップしている。 『がっ!っ…許して!痛い!痛いっ!』 女子が苦痛の声と許しを請う言葉。 ガッ!ビシッ!ガツッ! 複数の相手から殴られ、蹴られる音が聞こえる。 (あーあ~…さすがバカ女共だ、思い通りにならなくて熱くなってんね~) 冷酷にも助けようとすらしない俺、しかし虐められてきた自身の経験からして、追い詰められたら何らかの自衛手段を思い付くのだが…。
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