次の日…

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そっと保健室の窓から中の様子をチラ見する。 先の女子は棚から薬をだして1人で手当てをしていた。 (しかし、今気がついたけど、俺の行動はかなり怪しいよな…;) こそこそ女子を着け回してるのは事実だし、そろそろ止めておこうとは思うのだが、自身も虐められ蔑まされた経験があるので、同じ境遇の相手が気になってしまうようだ。 (おっと…出てくる) 手当てを終えた女子は、保健室のドアを開けようとする寸前であり、俺が逃げられるタイミングではなかった。 ガラッとドアを開けた女子は、当然ドアの前に居た俺を見てギョっとする。 『おっと!…ごめんよ』 『いえ…』 小さく返事を返し、女子はそのまま教室がある南側校舎に向かって歩いてゆく。 『バレなかったか、今度からは、こんなの止めておくかな』 呟きながら俺は保健室へ入る、先ほど使っていた傷薬などは綺麗に棚に戻されている、見た目には誰か入って棚の中を弄ったようには見えない。 『…丁寧に元に戻してるな、だから先生も気が付いてないのか?…しかし、ちょくちょく傷薬を使ってたら、当然薬が減ってくるし…いや、そんなに先生が薬を使わないから、減っているのにも気が付かないのかも』
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