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その時、ガラッと保健室のドアが開けられ、中に保健の先生が入ってきた。
『ん?どうしたんだ?具合が悪いのか?』
『ええ、でも少し休んだら楽になりましたから』
『そうか、だがあまり無理はするんじゃないぞ?』
『はい、では、失礼します』
俺は小さく会釈した後、早々と保健室から去る。
(あの女子がどれくらいの間、虐められているのか分からないが、今日をキッカケに自衛手段を考えるようにすればな…)
しかし、そうは言っても虐められている状況によっては、自衛手段にも限界がある。
それで苦しめた相手を殺すパターンもあるのだから。
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俺は学校から帰宅すると、魔術具が納められている祭壇の扉を開く、その一角には、悪霊や魔を退ける為に鍛え上げた「魔術武器」ではなく、逆に魔術によって呪詛を付与された「呪具」が数個ほど置いてある。
(あの女子を助けるなら、この呪具類が手っ取り早いんだが)
魔術使いである故の手段、対象に災いを与える「呪詛」がある、だがデメリットもあるので簡単には使えないし、問題がある。
(なにしろ、俺が直接あのバカ女共に憎しみを持ってる訳じゃないからな…)
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