第２話・復讐の呪具

霧島さんの魔術修行

『でも「浸透」と「付与」って、…魔術の効果に、そんな大きい違いは無い気がするけど？』

『魔術の系統としては、同じだからね、ただ「付与」で霊的効果を付け与えられた品は、その力は長期間維持されるが、「浸透」は一時的が限界なんだ』

『布に聖水を浸透させて霊的防護が可能な「聖布」に変える事は出来る、しかし「水」は乾燥してしまうと魔術的な効果が無くなってしまうからだね』

そう、それが「水」の弱点なのだ、人間や物品を問わずに浄化作用をもたらしたり、聖性を帯びさせて悪霊を退けたりも可能だが「乾いてしまうまで」と言うタイムリミットがある。

『うーん…それなら私も木村君と同じ「付与」が良いな、どうして私は「浸透」なの？』

『夏休み中に体験した、あの事件で思ったんだ、「付与」魔術では、悪霊や…例の化け物クラスに通用する程強くするのに、霊的な鍛打に長い月日を必要とする。
だけど「浸透」は対象を問わずに即席で霊的効果を与えられる、お世辞にも強力ではないけど、その辺りに転がってる「棒切れ」だろうが「石ころ」だろうがね』

『そっか…付与が直ぐに使える魔術なら、あの時に使ってるもんね』