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若い男の子らしい選択に思わず吹き出した。
「あ、エミさん、子供っぽいとか思ったでしょ」
膨れっ面の彼を見て笑うと、彼も笑顔になった。
「オーダーは決まりましたか?」
彼の言葉に「えぇ」と頷くと彼が「すみませ~ん!」と声をあげたので少し慌てた。
「尋くん、こういう時は手をあげるだけでいいのよ」
「え!?そうなんですか?」
恥ずかしそうに彼が俯いた時にウェイトレスが到着。
「ご注文はお決まりでしょうか」
私は頷いて彼に「先にどうぞ」と譲った。
オーダーを終えると、苦笑いの彼。
「こういう店、慣れてないのがバレバレですね」
気にしていたらしい。
「いいのよ。ただ、素敵な彼女とデートする時に恥をかかないように知っておいた方がいいわ」
彼が「はい」と。
「エミさんに良いところ見せたかったのに恥かかせちゃいましたね」
また俯くので笑みがこぼれた。
「気にしてないわ。尋くんくらいの歳で知っている子が少ないのよ」
顔をあげた彼を見て私は続けた。
「知らないことは知らないと言っていいの。知ったかぶっている方が格好悪いと思う」
そう言うと、彼がはっとした顔をした。
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