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修学旅行、初日の夜。
私たちは旅館に泊まった。
都会の外れにあるその旅館は、
知る人ぞ知る立派な旅館のようで
食事は美味しく、
温泉も気持ち良く、
未だ子どもの私たちには
勿体無い程だった。
温泉からあがり、同じ班の
2人と部屋に戻ると、
2人は改まって私に言った。
「れい。修学旅行中はこの部屋で」
何かがあるらしい。
明日も明後日も何かあるらしい。
「れいはこういうの好き、
じゃないよね。」
何かに興味あるなら、
この部屋にいてもいい
というが、口振りでは
私はこの部屋にいてほしくない
らしい。
何かなんて、私は知らなくていい
私はケータイと財布と本、
上着を持ち、部屋を出た。
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