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その部屋に行くと、さらに強烈なお線香の香りがした。 8畳の和室が、二部屋続いている。 その間にはふすまで区切れるになっているが、普段は開いてある。 田舎の家ならではの広さである。 ここでは、正月やお盆になると、長いテーブルを並べて食事会をしたものだ。 普段の日は、手前に仏壇があり、奥で布団を敷いて寝る。 むしろ、ここだけあれば生活に必要なものはありそうだ。 それでも、この家には部屋が溢れている。 仏壇の前には、お盆が近いからと様々なフルーツに加え、お中元で貰ったであろう缶詰やお菓子が所狭しと置かれている。
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