38/51
前へ
/415ページ
次へ
それだけでもいっぱいだというのに、夏美とばばは、二人揃ってそこへ野菜も並べようとしている。 その無理矢理さに文句を言うと、その倍以上の言葉が返ってくる気がしたので、仏壇の前に正座をした祐子は、そのまま手を合わせ、目を瞑った。 この仏壇にいるのは、祐子があったこともないご先祖さまばかりだ。 それでも、写真を見て、幼少時代に手を合わせていたので、なぜか知っているような、いつも見守ってくれているような気がする。 『ああ、祐子。お線香あげな。』
/415ページ

最初のコメントを投稿しよう!

457人が本棚に入れています
本棚に追加