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祐子が目を開けると、ばばがマッチを勢いよく擦ったところだった。
ジュッと嫌な音を立てた後、小さな炎が棒の先端で揺れている。
その火をろうそくに移すのを眺めながら、祐子は上半身だけ引いた。
祐子は、火が怖いのだ。
学校で理科実験が出来るようになった頃は、今と違って争うようにしてマッチに火を付けては消していた。
家でタバコを吸う人間もいなかったので、ライターもなかったし、料理のガスコンロはあまりいじらせてもらえなかった。
火、というものが新鮮だったのだ。
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