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それならば、触らなければいいのだ。 やらなければいいのだ。 そんな考えに陥った。 母親など、それまでは楽しむようにろうそくに火を付ける祐子に文句を言っていたが、いざ火を付けるのを怖がるようになったら、それはそれで小言をいう。 これくらい出来なくて、どうするのだ、と。 勝手である。 しかし、それでいいのだ。 祐子は、ばばが火を消したのを確かめると、二種類置いてあるうちの長い方を二本手に取り火を付けた。
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