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『ばばは?』 口の端から零れる汁を、手の甲で拭いながら祐子が聞いた。 『ああ。きっとこれから庭の花をいじると思うよ。行く?』 『いい。』 祐子は、それを行動で示すとでもいうように、椅子を引いて座った。 この台所は、以前祐子達家族が住んでいた頃のままだ。 椅子は無駄に6個も並んでいるし、テーブルだって広い。 食器棚も二つ並んでいるし、冷蔵庫だって大きめだ。 しかし、食器棚に入っている食器の数の少なさと、使われていないだろう椅子が、やけに寂しげだった。
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