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夏美が自宅へと戻ってから、祐子はばばの家でゆっくりと過ごすことにした。 夏美とは、まだまだ話す機会がある。 それよりも、今は久しぶりに歩きすぎてぱんぱんに張ってしまった足を思い切り伸ばしていたかった。 家は、二階建ての造りにはなっているものの、上は一部屋しかない。 それも、今では使われておらず、ただの季節の入れ替わりのための物置としての用途しかないようだった。 外は暑いのに、風通しのよいこの家は、どこか涼しくて過ごしやすい。 家中に風が吹く抜けるようにあちこちに大きな窓があるだけでなく、部屋通しも壁ではなく障子になっているのだ。 むしろ、隠れる方が難しいかも知れない。
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