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こうなったら正面玄関からは出ないで、裏口からこっそりと出るしかない。
俺は鞄を持ち、台所を抜けて、裏口へと向かう。
そして開けようとしたのだが、サビているのか中々開かない。
力一杯押してようやく開いた裏口は、近所中に響くような金切り声をあげた。
これは気付かれたかな?
俺がそう考えたのも仕方がない。なぜなら先ほどまでずっと叩かれていた玄関から、物音一つしないのだ。
いや、これはチャンスかもしれないな。俺が裏口から出たとあいつは思っているだろう。
それを逆に利用して、俺は正面から堂々と出ていく。
このアパートは古いけど、結構広い。正面から裏口に行くなら、四十秒はかかるだろう。
よし! これで行こう!! 今日は平穏な登校ができるかもしれない!!
これは嬉しい、嬉しすぎる! 平穏な登校なんて何年ぶりだろうか。
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